ワーキングメモリは、私たちが日常生活で情報を一時的に保持し、それを操作する能力です。これは、認知作業の中で非常に重要な役割を果たします。この記事では、ワーキングメモリの基本的な構造と機能について詳しく解説します。
ワーキングメモリの構造
ワーキングメモリは、主に以下の四つの要素から構成されています:
1. 中央実行系(Central Executive):
• 情報の統合、計画、制御、調整を行う主要な制御機構。
• 注意をコントロールし、他の要素の働きを調整します。
2. 音韻ループ(Phonological Loop):
• 言語情報を一時的に保持。
• 言語のリハーサルと音韻符号化を担い、例えば電話番号を覚える際に使います。
3. 視空間スケッチパッド(Visuospatial Sketchpad):
• 視覚および空間情報を一時的に保持。
• 図形のイメージや位置関係の記憶を処理し、地図を頭の中で思い浮かべるときに役立ちます。
4. エピソディックバッファー(Episodic Buffer):
• 長期記憶とワーキングメモリの情報を統合。
• 時間的な順序を保持し、エピソードとして情報を連結します。
ワーキングメモリの重要性
ワーキングメモリは、注意、学習、問題解決、言語理解など多くの認知プロセスにおいて重要です。日常生活の中で、電話番号を覚える、地図を思い浮かべる、計画を立てるといった活動に欠かせない能力です。
次回は、ワーキングメモリの発達について詳しく解説しますので、お楽しみに!