「困った行動」への対応方法

~発達障害の特性を理解して、安心できる子育てを~

子育てや療育の現場では、「どうしてこんな行動をするの?」と戸惑う場面が少なくありません。
実はそれらの多くは、発達障害の子供たちに見られる特性からくる言動です。
今回は、母親や先生からよく聞かれる「困った行動」と、その対処法を5つご紹介します。

① こだわりの強さ

例:同じ服しか着ない、遊び方を変えられない、決まった道しか通らない。
        •       なぜ?
子どもにとって「予測できること」は安心につながります。そのため、同じやり方を繰り返すことで落ち着こうとします。
        •       対応方法
        •       いきなり変えるのではなく「見通し」を伝える(「今日は別の道で行くよ、帰りはいつもの道ね」)。
        •       選択肢を2つにしぼって選ばせる。
        •       小さな変化に慣れる経験を、少しずつ積ませる。

② 感覚の過敏・鈍麻

例:大きな音でパニック/服のタグを嫌がる/痛みに気づかない。
        •       なぜ?
脳の感覚処理が人より敏感だったり、逆に反応が鈍いことで、日常の刺激が強すぎたり弱すぎたりします。
        •       対応方法
        •       苦手な音や素材は、事前に環境を整える(イヤーマフ・タグを切る)。
        •       無理に慣れさせるのではなく、「回避できる工夫」をまず優先。
        •       鈍感な場合は、安全に気をつけ、こまめに体調やケガを確認する。

③ コミュニケーションの特性

例:一方的に話す/質問に答えられない/友達関係がうまくいかない。
        •       なぜ?
相手の気持ちを読み取ったり、会話のキャッチボールをする力が育ちにくいことがあります。
        •       対応方法
        •       「Yes/No」で答えられる質問にする。
        •       表情や気持ちを絵カードや写真で示す。
        •       上手にやりとりできた時は、すぐにほめて自信を育てる。

④ 注意の散漫さ・多動

例:すぐ立ち歩く/順番を待てない/別のものに気を取られる。
        •       なぜ?
脳の働きとして「集中の持続」や「切り替え」が苦手なため、刺激に反応しやすく落ち着かなくなることがあります。
        •       対応方法
        •       作業は短く区切り、「終わり」をわかりやすくする。
        •       順番を待つときは、視覚的に「待つカード」や砂時計を使う。
        •       体を動かす休憩をうまく取り入れる。

⑤ 感情のコントロールの難しさ

例:癇癪を起こす/物を投げる/パニックになる。
        •       なぜ?
感情を言葉で伝えることが難しいため、行動で強く表現してしまいます。
        •       対応方法
        •       気持ちを言葉やカードで代弁してあげる(「怒ってるんだね」「嫌だったんだね」)。
        •       落ち着くための「安心スペース」を用意する。
        •       パニックが収まった後に、少しずつ「どうすればよかったか」を振り返る。

おわりに

「困った行動」は、実はその子の困っているサインでもあります。
行動の裏にある理由を理解し、少しずつ工夫を重ねることで、子どもも保護者も安心できる時間が増えていきます。

療育の現場では、保護者と一緒に工夫を共有しながら、子供たちが安心して成長できる環境を整えていくことが大切です。