反抗挑戦性障害(ODD)って知っていますか? ADHDや自閉症スペクトラムとは違うけれど、実は多いんです!
発達障害についての情報が増え、ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉症スペクトラム障害)という言葉を耳にする機会は多くなりました。でも、「反抗挑戦性障害(ODD)」という言葉は、あまり聞き慣れないかもしれませんね。
実は、このODDは子どもの約3〜16%に見られるとも言われており、決して珍しいものではありません。「なんだかすぐに怒る」「大人の言うことを全く聞かない」というお子さんに当てはまることはありませんか? それ、もしかしたら「反抗挑戦性障害」かもしれません。
反抗挑戦性障害(ODD)とは?
ODD(Oppositional Defiant Disorder:反抗挑戦性障害)は、権威のある大人(親・先生など)に対して強く反抗したり、怒りっぽくなったり、挑戦的な態度を取り続ける障害です。単なる「反抗期」ではなく、「6ヶ月以上」続くことが診断基準となります。
ODDの主な特徴
以下のような行動が6ヶ月以上続く場合、ODDの可能性があります
• 親や先生の指示に従わない(わざと反対の行動をする)
• すぐに怒る、かんしゃくを起こす(ちょっとしたことで激怒)
• 大人や他人を挑発する、口答えが多い
• 自分のミスを認めず、他人のせいにする
• わざと他人を困らせる、意地悪をする
• 復讐心が強く、仕返しをしようとする
ADHDや自閉症スペクトラムとの違いは?
ADHDやASDとも行動が似ている部分がありますが、原因や特徴が異なります。
ODD(反抗挑戦性障害) ADHD(注意欠如・多動症) ASD(自閉症スペクトラム障害)
主な特徴
・反抗的・怒りっぽい・挑戦的 不注意・衝動性・多動・コミュニケーションの困難・こだわりの強さ
問題の現れ方
・権威への反抗・挑戦的態度 じっとしていられない・集中できない・空気が読めない・興味が偏る
関係性
・意図的に大人に反抗する・無意識に注意散漫になる・他者との関係が苦手
ODDは、意図的に反抗したり、大人を困らせる行動が特徴的ですが、ADHDの場合は「わざとではなく衝動的に行動してしまう」という違いがあります。また、ASDの子どもは「社会性の難しさ」が根本にありますが、ODDは「反抗すること自体が目的」になりやすいのです。
ODDの原因とは?
ODDは「しつけの問題」ではなく、脳の発達や環境の影響が複雑に関係していると言われています。
• 脳の発達の偏り(感情をコントロールする力が弱い)
• 親子関係の問題(愛着の問題、厳しすぎる・甘やかしすぎる育児)
• ストレスの多い環境(家庭内のトラブル、いじめなど)
• 他の発達障害の影響(ADHDの二次障害として現れることも)
ODDの子どもとの関わり方
「すぐに怒る」「全く言うことを聞かない」となると、つい親も感情的になりがちです。しかし、感情的に叱ることは逆効果になってしまいます。ODDの子どもと関わるときには、以下のポイントを意識しましょう。
1. 感情的に叱らない
→ 怒ると逆効果! できるだけ冷静に対応し、「こうしたらよかったね」と伝える。
2. 小さな成功をほめる
→ 「できた!」という経験が大切。 少しでも指示に従えたら、大げさにほめる。
3. ルールを明確にする
→ 曖昧な指示ではなく、具体的に「◯◯しようね」と伝える。
4. 一貫した対応をする
→ 親によって対応が違うと、子どもは混乱しやすい。家族で方針を統一する。
まとめ
「反抗挑戦性障害(ODD)」はあまり知られていませんが、決して珍しいものではありません。ADHDやASDと異なり、意図的に反抗的な態度を取るのが特徴です。しかし、ただ「わがまま」なのではなく、感情のコントロールが苦手であったり、環境の影響を受けていることが多いのです。
子どもが反抗的な態度を取ると、つい「言うことを聞かせよう」としてしまいがちですが、感情的に怒るとさらに悪化することもあります。適切な関わり方を知ることで、子どもとの関係を少しずつ改善していくことができます。
もし「うちの子、もしかして?」と思ったら、一度専門家に相談してみるのも一つの方法です。適切な対応をすることで、子どもの困りごとを減らし、より良い成長をサポートすることができますよ。